国民の健康寿命延伸のために、「歯や口腔機能」が大きな役割を持っていることに異論はない。実際、2022年10月20日に発出された公益社団法人日本歯科医師会による「15~79歳の男女10,000人に聞く「歯科医療に関する生活者意識調査」」によると、健康のために歯や口の健康は大切と考える人は9割を超え、歯科医療に対する意識が高まっている。しかし、歯科医療機関で定期チェックを受けている人は全体の半数以下ということも明らかになった。この意識と行動のギャップを埋めるためにも、生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)は重要な施策である。先の生活者意識調査においても歯科健診は8割以上が肯定的な意見であり、歯科口腔の重要性は国民のなかに醸成できてきていると考える。しかしながら国民皆歯科健診の項目については、遅々として議論が進まないところである。
日本口腔検査学会は、歯科健診項目のうち口腔検査については本学会がイニシアチブをとって進めていくべきと考え、2023年7月に国民皆歯科健診を考えるキックオフミーティングを開催し、国会議員・厚労省・日本歯科医師会・日本歯科医学会、各検査の専門家で熱い議論を交わした。そのなかで健診事業の課題や検査項目など検討するべき内容が浮き彫りとなり、継続的なミーティングを開催することとなっていた。
そこで今回下記の概要にて「第二回国民皆歯科健診を考えるミーティング」を企画した。
日本口腔検査学会 理事長